こんにちは、静岡市葵区の弁護士の浅野智裕です。
今回は契約書のチェックについて話したいと思います。
契約書は重要です、と言われればほとんどの人がうなづくと思います。しかし、では重要な契約書と締結するにあたって、何か気を付けていることはありますかと質問した場合、あまり特別な返答はないように思います。
契約書は重要なもの。その通りであって、契約書を取り交わすときにはしっかり読んでいます。
そういった返答が多いように思います。
契約書を読むことは確かに重要なことです。しかし、専門家が読む場合とはやはり少し違うように感じています。
具体的に言いますと、契約書をしっかり読んではいますが、残念ながら文字を追っているだけ、という印象がぬぐえません。
我々、弁護士が契約書を読む、チェックする場合、その契約書の条項からどのようなケースが想定されるかを色々イメージします。そして、クライアントに不利な状況が生まれないかを検討しています。またイメージするのも複数のパターンを考えます。色々なケースを想定して、その契約書がクライアントに有利なものか、不利であっても許容できるかを考えます。
そこまでできて初めて契約書をチェックしたしたといえると思います。
一般の方が契約書をよく読んで、締結したけど、いざとなるとこんなことになるとは思っていなかったと言われることがあります。それは上記のような色々なケースの想定が不十分であったといえます。しかし、こういったことは実は高度に専門的なことなので、一般の方がやろうとしても難しいのが現状です。もちろん、弁護士であっても、神様ではないのですべてのケースを想定できるものではありません。しかし、弁護士による検討は、一般の方のそれに比べるとはるかに多くのケースを検討していると思います。
そこでやはり法律家による契約書のチェックの活用となります。
特段問題のない契約書と考えていても案外落とし穴があったりします。そういった意味で転ばぬ先の杖として、弁護士による契約書チェックというのを活用したほうが良いと思います。