こんにちは、静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。
今回は、交通事故における物損の消滅時効の最高裁判例の紹介です。
裁判の事例は、交通事故により人身損害と物損の両方が発生した場合の物損の消滅時効の起算点が問題となりました。原審は、人身損害も発生しているので、消滅時効は、損害全体を知ったとき、すなわち人身損害の損害内容を知ったとき、症状固定時が起算点となる、と判断しました。
しかし、最高裁は、人身損害と物損は別々の損害賠償請求権として、人身損害が発生していても物損の損害賠償請求権は、物損及び加害者を知ったときが起算点となり、物損について消滅時効が完成したと判断しました。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90661
裁判では物損と人身損害の両方を争うことがありますが、消滅時効は別々になるということで注意が必要だと思います。