静岡の弁護士の若狹です。
先週まではみんなでピクニックに行ったりして戦前青春大学ドラマだったはずですが、今週からは一気に硬派な法廷ドラマになってきましたねえ。
明日はちょうど憲法記念日ですが、当時の刑事裁判の様子を見ていると、今の日本国憲法が比較法的に見ても珍しい(らしい)詳細な適正手続(31~40条)の保障が定められていることや戦後に刑事裁判が当事者主義的に改められたこと(ドラマ内では壇上に裁判官の横並びでいる検察官の姿が象徴的!)の大切さを実感しますね。
本日放送の第24話は「判決を言い渡す…」で終わっていましたが、テレビドラマで「主文、被告人は…」で回跨ぎ・CM跨ぎをされてしまうと無罪のネタバレになっちゃう(※有罪の場合は「主文、被告人を…」で助詞が異なる)という”法律家あるある”にも配慮いただいた法律監修の方、GJだと思います。今はSNSですぐに考察が出回りますから。
ドラマ内の「共亜事件」のモデルとされる「帝人事件」(※リンク先ネタバレあり)は、実際にはかなり政治的な事件だったようです。史実では寅子さんのモデルの人(=三淵嘉子さん)のお父さんは事件に巻き込まれていないのですが、帝人事件では寅子さんのお父さんと同じように銀行勤務の人も起訴されているようなので、史実とフィクションがちょっとカスってはいるみたいです。
裏の政治世界まで描いていると寅子さんとは関係のない別のドラマになっちゃうのでそこまでは描かないと思いますが、副読本として帝人事件を画策したとされる平沼騏一郎(日本史的には「欧州の天地は複雑怪奇」の人)の新書を電子書籍で読み始めました。