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NHK連続テレビ小説「虎に翼」⑤(終)

静岡の弁護士の若狹です。

 

ブログの更新はサボってしまっていましたが、「虎に翼」とうとう終わっちゃいましたねえ。
原爆裁判のことや家裁の成り立ち、女性と司法制度を描くくらいまではなんとなく予想していましたが、山口判事餓死事件からブルーパージや尊属殺重罰の違憲判決まで、また、選択的夫婦別姓から同性婚まで、要素を拾いきれないほど盛りに盛り込んだ、ちょっとした戦後司法史まで描いてくれるとは、いい意味で驚きでした。

贅沢を言うなら、後半はさすがにちょっと要素を盛り込みすぎかな、この描写はアレを下敷きにしているはずだけど一般の視聴者にちゃんと伝わってるのかな(たとえば、岡田将生さん演じる航一さんの役職だった最高裁調査官は、事件の前さばきをするのはもちろん、大きな事件では「調査官解説」ってのを執筆していて、判決文には載せきれない背景事情や学説を解説しているので、司法試験受験生時代は「調査官解説」をコピーして線を引っ張りながら何度も読み返して勉強したもんだよー、「調査官解説」が判例解釈や実務に与えるインパクトは大きいのでもちろん出世コースど真ん中なのですよとか)と思わなくはなかったですが、全体として見れば間違いなくドラマとしては傑作でしょう。先日、一般企業で働いている同級生とも、「虎に翼めっちゃおもしろいよね!」の話で盛り上がりました。ドラマ終了後改めて感想をシェアしたい!

改めて総括すれば、最初から最後まで憲法14条の話で貫かれていたんですねえ。
「憲法の話」というのは時に固くつまらない話になりがちですが、それを朝ドラでああやってエンタメとして正面から描いた(戦後司法史もキチンと絡めつつ)というのは離れ業だと思います。
滝藤賢一さん演じる多岐川判事が、無駄にいい体で水行をしながら家庭裁判所の5つの基本的理念を発表する、という真面目なんだか珍妙なんだかわかりにくいバランス感覚も忘れがたいです。


あと思ったのは、(私もそうですが)法曹業界って自分らの仕事ドラマがつくづく好きすぎだということですね。
警察界の人や医療界の人が、我々と同じような熱量で自分たちの業界ドラマを見ているとは到底思えないものなあ。
明治大学では今月はまだ「虎に翼展」をやっているそうなので(※ステマじゃありませんよ!)、今度東京に行くときにちょこっと覗いてこようかしら。

同性から見ても毎朝うっとりするほどイケメンだった岡田将生さん。
0.01%でもいいので岡田将生さんっぽさがあるビジュアルに生まれたい人生でした…。
さよーならまたいつか!!