静岡の弁護士の若狹です。
先日、静岡シネ・ギャラリーに久しぶりに映画を観に行ってきました。
90年代に活動した日本のダブ・ポップバンドのドキュメンタリー。172分。
ドキュメンタリー映画であり、青春映画であり、ライブ映画でもあるという不思議な映画でした。
まずやはり特に音が良かったですねえ。これだけの長さの映画、自宅だとなかなか集中して観られませんものね。
関係者(バンドメンバー含む)も観客も、みんなで「あれは一体なんだったんだろうね??」とフワフワと遠くに飛んで行って消えてしまったものを首をかしげながら見ているような、そんな映画の存在感はバンドそのものと少し似ていました(バンド名は“魚”なのに)。バンド自体も知る人ぞ知るというほどマイナーではないですし、かといってカラオケで歌ったらまあまあの確率でポカンとされるでしょうし笑
エンドロールの入り方が完璧で、少し泣いてしまったくらい素晴らしかったです。
上映後舞台挨拶に来られていた監督と同じく、自分も完全に後追い世代(友人に薦められて初めて聴いたのが2002~3年?くらい)なのですが、1曲30数分のアルバムを出しちゃうタイプのバンドをポスト・スピッツに据えようだなんて、慧眼なんだかそうでないんだか笑、ヒット曲がありそうもないし見込めそうもないバンドにプライベート・スタジオをレコード会社が用意したとかも含め、当時の世間からの捉えられ方がいい意味でよくわからなかったですが、「その時の評価」と「長い目で見た評価」って往々にして全然違うものなのかもしれませんね。
しかし、「テレビドラマのタイアップに決まった!よっしゃこれで売れるぜ!」と意気込んで目一杯ポップ寄りに作った曲が鳴かず飛ばずで、でも20数年経ってみたらドラマ自体はすっかり忘れ去られて曲だけが歌い継がれているとか、考えさせられるものはありましたね。