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企業倒産

こんにちは、静岡市葵区の弁護士の浅野智裕です。

前回の債務整理の話に続いて今回は企業の倒産の話をしたいと思います。

会社経営が順風満帆に行くのが一番良いのですが、昨今の厳しい経済状況のなかで不幸にして会社が立ち行かなくなることがあると思います。そのような場合にどのように企業の最後のけじめをつけるかという問題になります。

企業倒産と一口に言っても破産、民事再生、私的整理と色々な手段があって、最近では私的整理が多く用いられてきています。

もっとも、相談に来た際には資金繰りに窮していて、資金ショートが見えているということが多くあります。民事再生や私的整理ではある程度時間がかかることから資金繰りができそうな目途がなければ使えません。資金ショートが見えている場合にはやはり営業廃止しての破産ということが多いと思います。

破産をするときに私が関わらせていただいた案件で気を付けているのが混乱を少なくするということです。倒産の気配があると債権者が少しでも弁済を受けようと督促を強めることがよくあります。そういった債権者が多く出てくると現場では混乱が生じてきてしまいます。またそういう噂が広まればますますパニックは大きくなっていきます。そのため、基本的には倒産すると決めても公表はせず、会社内部でも限られた人で準備することになります。そして、破産申立をする日を決めて、その日に申立と同時に営業を廃止させます。そうすることで裁判所の監督下に入り、できるだけ混乱を生じさせないようにします。

このように以前に書いた個人の方の破産と企業の破産とではかなり様子が異なります。個人の債務整理とは別ものと考えたほうがいいかもしれません。