こんにちは、静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。
今回はニュースなどで報道されたくら寿司の炎上についてです。
炎上した原因はアルバイト店員がインスタグラムに不適切な動画を投稿したというもので、何年も前からある典型的な類型です。
http://www.kura-corpo.co.jp/release/pdf/20190206.pdf
くら寿司HPより引用
以前のブログでも書きましたが、D&Gの中国でのSNS炎上騒動など企業のSNSについてのリスク管理は非常に大切なものになっています。
同じようなことを書いてますが、企業にとって、従業員のSNS利用について、何らかの対策をしたほうが良いと思いますし、おそらくしているのだと思います。大企業で従業員が多かったり、FC加盟店のアルバイト店員などなかなか全員にいきわたらせるのは難しいかもしれませんが、できる限りの対策は講じるべきと思います。
従業員のSNS利用を禁止するのが手っ取り早いようにも思えますが、企業が従業員のプライベートな部分まで規制をするのはやはり行き過ぎだと思います。
現実的な対策は①研修の実施、②誓約書の提出、③スマホの持ち込み禁止だと思います。
①はSNSリスクについて従業員に研修を行うというもので、従業員教育になります。これも正社員だけではなく、パート、アルバイトなど全ての従業員に実施すべきです。SNSによる炎上はどのような従業員でも起こり得るからです。アルバイトにまで研修を実施するのは企業にとって負担かもしれませんが、十分にできなければ今回のようなくら寿司のような騒動を巻き起こす可能性があるのですから、負担でもやったほうが良いと思います。
②誓約書の提出について、上記でも書きましたが、SNSの利用を禁止することはできません。しかし、SNSに仕事関係のことは投稿しないと誓約させることはできると思います。また、本人に書かせることで本人に意識してもらう効果もあると思います。
③スマホの持ち込み禁止です。全ての職場ではできないかもしれません。しかし、くら寿司のような飲食店のキッチンには従業員のスマホなど必要とは思えません。そもそも職場にスマホを持ち込むことができるから動画を撮影して、投稿できるのです。スマホがなければその分リスクは減少します。
以上のような施策を地道にしているだけでもずいぶん違うと思います。今回のような騒動は誰も得をしないものです。投稿した本人でさえも今後悔していると思います。企業側でも従業員を守るという側面もあると思います。
今回のくら寿司の不適切な動画も数時間で削除されたようですが、その数時間で拡散してしまって、少し検索できれば簡単に見れる状態になっています。もう取返しのつかない状態といえます。
企業としては予防策としてしっかり対策をしたほうが良いと思います。