こんにちは,静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。
今回はケフィアの破産の話です。
先日のニュースで令和元年5月21日に債権者集会があり,配当率は2~3%にとどまるとの報道がありました。
ケフィアのお金の集め方には問題があり,その点で出資法違反の疑いもあることから,通常の破産とはやや異なる事案といえます。いわゆる消費者被害の面があり,出資した債権者が怒るのも当然といえます。
ケフィアを調べてみますと,ホームページが残されていて,債権者集会報告書が誰でも見れるようになっています。
ホームページはこちら http://www.kefir.jp/
報告書はこちら http://www.kefir.jp/pdf/houkoku_20190522.pdf
通常は債権者などしか記録の閲覧・謄写は認められていないことから,債権者が多く,消費者被害があるような事案なので例外的な取り扱いといえます。もっとも,これまでにもホームページで公開する例がありましたから,例外とはいえ,何件かあるのだと思います。
そして,配当率が2~3%ということですが,これは一般破産債権者の配当率になります。この一般破産債権には出資者のほかにも貸し付けをおこなった銀行も含まれています。
破産手続きのなかで,債権者はその性質に応じて優先順位がつけられているものがあります。優先されるのは税金や労働債権があります。しかし,消費者被害の債権者は優先されず,一般破産債権になってしまいます。この順位付けには若干疑問を持っています。私の意見ですが,労働債権は優先されるべきですが,消費者被害などはもう少し優先されても良いかもしれません。特に一般破産債権と同列になると銀行貸付金が大きくあり,あまり配当が得られないのが通常です。2~3%も特別低いわけではなく,これくらいの配当率は多くあります。
むしろ,私としては消費者被害などの事例はもう少し順位を上げてもいいのでは,と思います。一方で,税金はそこまで優先されなくてもいいのでは,と思っています。
そうは言っても破産法に規定されている以上は現段階では規定の順位に従うしかありません。できれば今後の改正があったときにもう少し一般人に優しい順位付けになってくれればいいなと思っています。