こんにちは、静岡市葵区の弁護士浅野智裕です。
先日、SRCという団体で事業再生の講師を務めました。
事業再生では、法律的な知識だけでなく、経営、会計の知識も必要になり、関連の専門家との連携も必要になります。
今回、私が担当したのは民事再生手続きに関わる実務的な問題点とその対応についてです。
私が一方的に話すのではなく、参加者全員でディスカッションをする形式で行いました。活発な討論が行われて、終了後には勉強になったとのお言葉もいただきました。
もっとも、私もとても勉強になりました。民事再生手続きをする中で税務的な問題や許認可の問題も出てくるのですが、そこはやはり専門家である税理士や行政書士の先生方のほうが詳しく、簡単に言われているほど単純な問題ではないことに気付かされました。
例えば民事再生手続きにおいて、スポンサーから支援を受ける際、増減資の形式をとった場合には債務免除益に対する対応が必要になり、それに対して期限切れ欠損金の活用などと言われていますが、税理士の先生からは、期限切れ欠損金を使う場合にも要件などがあり、簡単に利用できるものではないというご意見もありました。また期限切れ欠損金だけでなく、資産の評価替えも検討すべきとのご意見もありました。
また、許認可では増減資では許認可に影響が出ないと言われていますが、行政書士の先生からは、資格を持った人が取締役に入っていることで認められている許認可もあるので、取締役が全員変わってしまうと増減資でも簡単に大丈夫とは言えない、許認可の種類によって変わってくるというご意見がありました。
このようなご意見はやはり当該専門家でなければわからないことだと思います。
私としてもあらためて士業連携、専門家との連携の大切さということに気付けた研修でした。